昨日、飯田橋から田端まで、自転車で走っている時、

偶然通りがかった銭湯「ふくの湯」。

一階にはコインランドリー。

あたりに広がる、お湯のやわらかな匂い。

でも、ライトアップされた外観はさながらカフェかログハウスのようで、

私のイメージする銭湯とは、全く異なる顔をしていた。

のれんには「ゆ」ではなく「ふ」の字。

なんだろう、ここ?

まっすぐ帰るつもりだったけど、その外観の美しさに思わず入ってしまった。

 

浴室のドアを開けて、一番に目に飛び込んでくるのは

現代風に描かれた、スタイリッシュな赤富士。

その下にはタイルで描かれたビットマップの松。

・・・かっこいい!

間接照明で彩られた風呂場の柱のタイルは、一つ一つ細やかな模様が施されていて、

浴場というより宮殿のよう。

柱から壁、湯船の中まで、

それぞれ色も種類も異なるビタミンカラーのタイルが敷き詰められていて、

「え?ここ銭湯?」と思うくらい、華やか。

備え付けのシャンプーの容器まで、内装に合うデザインのものが選ばれている。

(この写真だとわかりにくいんだけど、右の壁には七福神の大黒様が。

また、脱衣所の照明も蛍光灯でなく、

ヴィンテージのランプが下がっていて、

しびれるかっこよさ!)

 

私の他にもお客さんが数人いたが、なんだか客層がやたら若い。

近くに住んでいる学生らしき人たちも、連れ立って来ていた。

 

帰り際、番台50代くらいの女性が座っていたので聞いてみたら、

この銭湯、「富久の湯」という名前で長く続いた老舗だったが、

2011年12月にリニューアルしたばかりだそうだ。

 

「赤富士は、日本に2人しか残っていない

銭湯専門のペンキ絵師さんに描いてもらったんですよ。

タイルの松や、浴場の内装はデザイナーさんに頼んで、

ご利益が感じられるように、

風水にこだわったカラーとデザインにしてもらいました。

銭湯ってどんどん下火になってきているし、

改装することにためらいはあったんですけど、

息子も賛成してくれたので、いいかなって。」

 

入った時に番台に座っていたのは、息子さんだったんだ。

デザインは最先端であるものの、お母さんや息子さんの接客は、

昔ながらの素朴な家族経営のお風呂屋さん、と言った体でほっとする。

 

入浴料は、普通の銭湯よりちょっと高めの450円だけど、

100円で「手ぶらセット」を貸し出している。

浴場の自動販売機も、チェリーコークや

ジンジャエールが売ってたりして、若い人向け。

ドライヤーも使い放題だし、ブーツが入るロッカーまであって、

若いお客さんのことをちゃんと考えて作ってある。

 

千駄木にこんな素敵な銭湯があったなんて!

 

リニューアル時には、浴場を舞台に

アフリカンパーカッションとジャズの演奏を行うイベントもやったのだとか。

 

田端の梅の湯もそうだけど、

銭湯界も“古き良き”を守るだけじゃなく、

攻めの姿勢を取っている所もあるんだなぁ。

「ふくの湯」には、これからも若い人を迎え入れ続けて欲しいので、

谷根千エリアにお住まいの方はぜひ行ってみてほしい。

 

ふくの湯:http://event.gnavi.co.jp/event/detail/el00118870/
文京区千駄木5-41-5 (本駒込駅より徒歩7分)

営業時間:午前11:00時~夜12:00時まで。

毎週 土曜・日曜・祝祭日は朝湯有り。午前8:00時~夜12:00時まで。

定休日:年中無休

 

 

 


紹介 author-img 著者

小野美由紀(MiUKi_None)作家。1985年東京生まれ。

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