身体をつかって、今を生きる――整体師の奥谷まゆみさんと、トークイベントを開催します。


41s4fCuDOzL._SL500_AA300_

10月13日(祝)の夜、整体師であり、女性の身体や妊娠出産について、数々の著書を書かれている、奥谷まゆみさんとトークイベントを開催します。
トークイベント:性と生のディアローグvol.2 奥谷まゆみさんと語る、イイ女、イイ男になる身体の活かし方ー身体を知れば、恋愛・結婚・セックスが見えてくる!

 

奥谷まゆみさんは、私の整体の師匠である。

昔、私が仕事と恋愛の両方に疲れて心身ともにボロボロで、人間らしい生活すらもままならなかった時、どうにかして身体だけでも立て直したいと、奥谷さんの整体サロン「きらくかん」を訪れたのが始まりだった。

奥谷さんの整体は、一般的なイメージ通りの「人をばきばきやって、治す」整体ではない。

身体を触ってその人の不調の原因を探り当て、その人が日常の動作の中でそれを改善してゆけるよう、ストレッチやボディワークの方法を指導する。その人が自力で不調を治せるように指導する整体だ。奥谷さんの整体には、依存がない。使うのはすべて、その人自身の持てる力だからだ。私は奥谷さんの著書を読んで、そういうところにも惹かれていた。

 

奥谷さんはどっしりとした岩みたいな女性だ。樹木と言った方がいいかもしれない。屋久島の大自然とか、アンデス山脈の麓の森に生えていそうな、樹齢を重ねた、たくましい太い木の幹。ちょっとやそっとじゃ動じなさそうな、経験を盾に変えた人の、ふてぶてしい輝きがある。でも反対に、奥谷さんの指先は、おどろくほど繊細で、あったかい。

奥谷さんに身体を触られると、指先が触れた場所が、じんわり溶けてゆくかんじだ。骨の内側に、あたたかいものが広がってゆく。もしも人間に「気」というものがあるとすると、奥谷さんの気が私の中に入って来て、ミックスジュースみたいに混じりあう感じだ。触られているだけで、涙が出そうになる。

 

最初にぼろぼろの状態できらくかんを尋ねたとき、奥谷さんは私の身体を触ったあとで言った。

「大丈夫、悪い身体じゃないよ」

これが悪い身体じゃなければ、何が悪い身体だと言うのだ。私はびっくりした。

奥谷さんはこう言った。「身体っていうのは、その人の生きて来た結果なんだよ。これまでの生活パターンとか、ライフスタイルとか、生い立ちとか、その人の経験の結果が、その人を作るの。身体をさわるとね、その人の生き方のクセ、みたいなものが、だいたい分かるよ。

頭でっかちな人は、実際に頭をさわってみると、現実にちょっとブヨブヨ、膨らんでる。何事にも動じない、俺は俺だ!って豪胆な人は、文字通り、“腰が据わってる”んだよね。ひっこみじあんな人は、胸がうしろにひっこんだ、文字通り“開襟できない”身体。

身体はあなた自身の、これまでの生き方の集大成なんだよ」

 

そうか。じゃあ、私の抱えている身体の不調は、これまでの私のダメな生き方のせいなのか。私は少し憂鬱な気持ちになった。

 

そんな私に、奥谷さんは続けて言った。

「でも、大丈夫。だからこそ、身体を変えれば、人生も変えられる。不調の身体っていうのはね、使い方をちょっと間違っちゃっているだけなんだ。使い方さえ変えれば、身体は答えてくれるんだよ」

 

そう言われてから、私は奥谷さんの整体講座に通い、身体の使い方を学びはじめた。

 

 

身体というのは、知れば知るほど面白い。私たちが「身体」と呼んでいるものは、じつは一枚岩ではなくて、骨と内臓、それと筋肉、神経系統と生殖器、そうした膨大なパーツの寄せ集まりによってできているということが分かる。それらがなぜだか分からないけれど、複雑に絡まりあって、人体と言う一つの塊を作り上げている。

身体と思考と感情もまた、驚くほどに繋がっている。

身体が変わると思考も変わるし、感情も変わる、ということを、私は実践しながら学んでいった。

 

 

「体の軸は時間軸なんだよ。」

と奥谷さんは事あるごとに言っていた。

「未来のことばっかり心配していたり、余計な思考に振り回される人は、立ってみると、おでこがちょっと前に出てる。身体の真ん中に自分がのっかってないかんじね。腰で立ってないの。逆に、過去にばっかり囚われて、なかなか行動できない人は、腰がひけてて、すぐに動き出せない身体なのね。

今・ここにしっかりフォーカスして、自分のやるべきことにコミットして生きられるようになるには、身体の中心に一本、すーっと通った体軸を作る事が大事。

それにはまず、下半身を育てることが必要なんだよ。

立つ、歩く、座る。人間の基本の三動作がしっかりできることが人間の生きる力を育てるんだね。

自分の足でしっかり立つ、ってことを身体で覚えると、生き方って言うのは、変わってくるんだよ」

 

 

身体を使ううちに、私はどんどん、元気になっていった。それとともに、自分の足でしっかり立つ事、自分で自分の責任を引き受ける、ということを覚えていった。

 

私はそれまで、いろいろなことを人のせいにしてきたんだなと思う。それは全部自分が選びとってきたことなのに。

自分の身体を使うと言う事は、そのまんま、自分にコミットすることなんだ。自分の生き方を知り、生き方を選ぶ事。そういうことを、私は奥谷さんから学んだ。

 

 

「どんな身体だろうと、よくなることはできる。人は、変わりたいと思った時に、変われる」。

人は変われるのか、変われないのか。よく聞かれることだけど、私は、人は変われると思う。

人は変わりたい時に変われる。それが奥谷まゆみさんに教えてもらったことだ。

それにはまず、自分の身体を知る事。身体は今の自分を知るための糸口なのだ。そうして、今の自分をまるごと受け止めて、現実の足場に、しっかりと立つことなんだなと思う。

 

 

彼女の話の魅力は決して精神論に留まらないこと。気がついたら実践と結びついている。今回のテーマは女と男の性だけど、セックスの話だけじゃない。生殖の話は人間の生き方まるごとと深く関わっている。それを机上の空論ではなく、体感として「なるほど!」と思わせてくれる、「手応え」のある会話。

何かしら、活きる話ができるはずだ。

ぜひ、ご来場をお待ちしています。
トークイベント:性と生のディアローグvol.2 奥谷まゆみさんと語る、イイ女、イイ男になる身体の活かし方ー身体を知れば、恋愛・結婚・セックスが見えてくる!

 


投稿者:

miyuki.ono1228

小野美由紀(MiUKi_None)作家。1985年東京生まれ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です