若者と日本酒の未来—女子のための日本酒のてびき3ヶ月目


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最初にSAKELIFEに出会ったのは、雑誌「アエラ」で私が担当していた連載コーナー、「U25」の取材でだった。

各分野で活躍している25歳以下の若手を紹介するコーナーで、どうしても日本酒に関する取材をしてみたかった私は、人づてで紹介してもらい、当時SAKELIFEでインターンをしていた、慶應大学3年生の河野道大くんを取り上げさせてもらったのだ。

河野君は栃木県の惣誉酒造の6代目の跡取り息子だ。酒蔵経営に奔走する父の背中を見て育ち、東京の大学で学びながらも、実家の酒造会社のPRに、フランスにまで駆り出され、若くして日本酒業界の未来を考えている。

日本酒業界で「若手」といっても、杜氏として完成されてくるのは30代以降。日本酒業界で注目の新星、SAKELIFE代表の高橋さんですら28歳だ。20代前半で日本酒業界を背負う若者を探すのは苦労した。その中で河野君は、従来の日本酒の世界から飛び出して、新しい日本酒の売り方を模索しているルーキーとして目新しかった。

取材の日、私は宇都宮にある河野くんの実家・惣誉酒造に出向いた。

惣誉酒造は、「生酛づくり」といって、最も手間ひまのかかる昔ながらの手法で酵母を培養させる酒造りを行う、数少ない酒蔵の一つである。近代的な機械の並ぶ酒蔵はイメージしていた風景とは違い、かなりシステマティックな印象を受けた。それでも冬の仕込みの時期は夜の3時から一晩中、杜氏たちが氷点下の中で仕事をするなど、伝統的な手作業が製造過程には不可欠らしい。日本酒は人の手で作られるものなのだ、というのがよくわかる。

5代目社長である河野君のお父さんは、フランスやアメリカなど、海外での販路拡大に意欲的だ。日本国内での販路はこれ以上増える事は無いが、海外、特に日本食が人気のフランスや、アジア圏の新興国などにはそのチャンスがある。「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことだし、海外での販路を拡大することは、国内市場が先細りしてゆく日本酒業界においては堅実な戦略なのだろう。海外の展示会で上映しているムービーを見せてもらったが、かなり美しくセンスがよかった。日本酒のPRなんて、地道に試飲会で紙コップについだ酒を手渡しして…という古くさいイメージしかなかった私はびっくりした。

しかし、河野くんにはお父さんとは別の考えがあるようだった。

「世界に知ってもらうことも必要だけど、僕は、まず、日本国内、それも、人の集まる東京で売りたい。特に、これから買い手となる若者に、日本酒の魅力を伝えたいんです」

若者の人口、特に購買力のある若者は年々減ってゆく。ターゲットにするなら中高年のほうが可能性はあるだろう。彼の意図が合っているかどうかは、私にも分からない。けれど、ブームを生み出すこともできるだろう。河野君はSAKELIFEでインターンとして働きながら、その可能性を探っている最中みたいだった。

「苦い」とか「アルコール臭が残る」という先入観は未だに根強い。日本酒には、ワインで言うソムリエにあたる資格がない。「利き酒師」はいるけれど、まだそれほどメジャーな職種ではない。種類や味の細かな違いを伝える役がいないのも、日本酒への偏見が消えない一因だ。だからこそ、河野君は自分が惣誉酒造を継いだあとは、一瓶一瓶に込められた背景や、作り手の思いを蔵元に代わって伝えられる経営者になりたいと語ってくれた。

「友達には“大学を出てまで酒屋になるの?”と言われます。でも僕は、父や蔵人が、極寒の蔵の中で懸命に働く姿を見て育った。真剣に酒造りに立ち向かう人たちはやっぱりかっこいい。いつか、この場所に帰ってきたい」

 

なんだかんだいって、日本酒は楽しい。

私が日本酒が好きなのは、なんだかんだ、飲む時に楽しさがあるからなのだ。別に焼酎だってビールだって楽しいんだけど、豊富な種類と、シーンに合わせて酒器を選ぶ楽しさ、酒器によって味も香りも変わる意外性、酒器自体の美しさ、これがうまい、あれがうまいって、通だけが知っている銘柄の情報を交換する愉しみ、全部が好きだからだ。あ、もちろん味も好きなんだけど、そういう飲み分けと比べあいが気取らずにできるのが、日本酒のなによりの魅力だと思ってる。

でも、それができる若者はなかなか少ない。これは由々しき事態である。

河野君みたいな若者が、日本酒の魅力を同世代にどんどん、伝えていってほしい。新しい市場を見つける事は、いつだって若者の得意分野のはずだ。それは惣誉酒造のためだけではなく、日本酒業界全体の利益にもつながるはず。

私だって、オジサンばっかりじゃなくて、同世代と美味しい日本酒、飲みたいもん。

いつか河野くんが独り立ちして、東京の若者を相手にイベントなのかサービスなのか、分からないけれど、何かを仕掛ける時が楽しみだ。取材した時は若干頼りない大学生だったけど、何かを背負った男の人って、驚くほど早く、成長する。この業界を背負った河野君と、SAKELIFEと、それから日本酒業界自体がどうなっていくのかを、これから楽しみにしている。

 

というわけで、SAKELIFE3ヶ月目。

今月届いたのは㈱名手酒造店の「黒牛」。

 

市販されているほとんどのお酒は通常「火入れ」という加熱殺菌をしているけれど、
今回の黒牛は一度も火入れをしていない「生酒」。

 

今日の舞台は、陶芸家・瀬川辰馬くんが8月にオープンしたばかりの陶芸スタジオ「Organon」

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一緒に飲むのは、人気急上昇中の人気ミュージシャン「水曜日のカンパネラ」の変態ボーカル少女コムアイ(@kom_i)。ちなみに全然飲めない子。

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瀬川君の作った酒器で乾杯!

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甘い!!!

めっちゃ甘い。そして、生酒ならではの舌の上ではじけるぷちぷち感がくせになりそう〜〜。

今回の配送では、とっくり型と一緒にラッパ型の酒器までついて来た。

それに加えて、シーン別・酒器の選び方チャートまで!!

こういう、かゆい所に手の届く細やかなサービスがSAKELIFEの魅力かも〜。

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あー、やっぱり人と飲むのが一番たのしいよねぇ。

 

というわけでSAKELIFEモニター第3弾だったわけだけど、私が一番ツボだったのは酒器が一緒に送られてくること。

色んな種類の酒器を知れるし、月を重ねるごとに少しずつコレクションが増えてくのもいい。

色々選ぶ楽しさが増すよねー。

日本酒の楽しさを知る入り口としては、SAKELIFEはもってこいだと思います。

あーもっと日本酒飲みたいっ。

 

SAKELIFE (http://sakelife.jp/

 

「水曜日のカンパネラ」(http://www.wed-camp.com/

 

「Organon Ceramics Studio」(http://organon.tokyo/


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