セックスの前に立ちすくむ20代?—AV監督の代々木忠さんに会ってきた。


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朝宮涼子さんのご紹介で、代々木忠監督にお会いした。

 

代々木監督の、どうすれば男女が心と身体で深く交われるのかについて書かれた本「つながる—セックスが愛に変わるために」を読んでから、ずっとファンだったので、うれしい。

 

監督は元気だ。

したたる、っていうか、70代になっても、目の前にいるだけでみずみずしいっていうか、

身も心も投げ出してしまいたくなる。

全部さらけだして、「THE 面接」の女優さんみたいに、撮ってもらいたくなる。

そう言いそうだったけど、私は意地っ張りなので、我慢して座っていた。

 

監督は、脳とオーガズムの関係について研究しているらしくて、ずっとその話をしていた。

 

最近の若い男性は、本能を司る脳幹が発達していないからだめだ、

危ないこと、野生に戻るようなことをして育っていないから、本能が育ってなくて、

男から女に迫れない。セックスしても、最後までイケないし、女の心を開く事ができない、と言っていた。

 

全員が全員、そうじゃないと思うけど。

確かに私が付き合ったことのある20代前半の男性たちは、そういうところ、あったなと思う。

 

 

彼らはセックスに困っている。

 

セックスの機会がないから困っているという意味ではない。

 

セックスについて、どうしたらいいかわからなくて困っている、という意味。

 

彼らはまるで、セックスしたいという気持ちを出すのが罪みたいに思っている節がある。

それを出さずに、女からの許可を待っている感じ。

 

むしろ「僕はセックスなんてしたくない」みたいな顔をするほうがいいと思っていて、

常にどこかしら受け身で、

セックス中も、セックス中以外でも、頭のどこかが常に、別の場所に向いているような顔をしている。

現実を生きている一方で、常にどこかしら、頭の中に別のウィンドウが開いてて、別画面を見ながら何かをしているような顔をしている。

 

知り合いの童貞の19歳の男の子が、彼女と付き合って半年間手が出せなくて、

旅行に行っても添い寝しかできなかったという話を聞いて、たまげた。

(その子は別に行動力のないタイプではない。さわやかだし人付き合いも上手い。でも、セックスに関してはそうなんだ!と思ってびっくりした。)

その子は結局、7ヶ月くらいで彼女とセックスできたそうだけど、コンドームを彼女とワリカンで買っていると言っていた。

コンドーム代ワリカンって、彼女からしたらたまんないだろう…と思うんだけど…。

今どきの10代って、そういうもんなの?

 

 

閑話休題。

 

 

けど、「男が女を開けない」以上に、「女が自分を開けない」のもあるんじゃないかな、と思う。

 

以前、國學院大学で講義した時、500人くらいの大教室で

「私、14歳から26歳くらいまで、ずっとセーラームーンでオナニーしてたんですよ(むしろそれでしかイケなかったんですよ)」という話をしたら(詳細はこちらの番組をどうぞ)

 

授業のあとに、女の子が寄ってきて、こっそり

「私もプリキュアでオナニーしてます」という話をしてくれた。

その子は彼氏がいる。いるけれど、セックスが気持ちよくない。

気持ちよくないけど、それを彼氏には言えないから、セックス中もプリキュアの事考えてイってるって言ってた。

プリキュアが敵に犯されてるアニメのエロ動画を頭の中で再生してイってるって。

 

男からしたら、屈辱的な話だと思うけど、

はっきりいって、そういう女の子が大半だと思う。

セックスの最中に、いつもネットで見てる男性向けエロ動画を頭の中で再生して、早回ししたり巻き戻したりして、

男性の指の動きに合わせてちょうどいいとこでイッたりしてると思う。

私はこれを「セーラームーン・シンドローム」と名付けた。(勝手に)

 

私も自分の心が閉じてるとき、彼氏相手でもそういうセックスしちゃうもん。

終わった後すごい心がすさむけど。

 

男が頭のどっかで違うこと考えながら、腰を必死に動かしてるその下で、

女の子はプリキュアが犯されてるところを想像してる。

 

互いに安心させるどころじゃない。始まった時から終わりに向かって進むだけのセックス。

 

お互いに別の画面見ながら、それでも肉体だけはつながって、

閉じた世界が二つ重なって、でも、決して袋とじにはならない。

 

悲しいことなのかどうか分からない。それでいいのならそれでいいのかもしれない。

互いに開けないのは、どちらのせいということはないだろうとも思う。

 

それでも私は、一番最初は、女が男を開いてあげたほうがいいんじゃないかなーと思う。

自分が女だからかもしれないけど。

単に「女から男にそれ、できたほうが、待ってるより手っ取り早いじゃん」ってだけだけど。

 

代々木監督も、昔は女がセックスを男に教えていたと言う話をしていたし、

監督を紹介してくれた朝宮さんは、

「よく“男が女を食う”っていうけど、実際、セックスって

女が男を食ってるんだよね。身体の構造上もそうでしょ。だったら女子が美味しく食べてあげなさいよ」

って言ってた。

 

男が女にちゃんと自分を開いて見せる勇気がなくなってるって事もあるだろうけど、

女がいちばんはじめに、男をどう食べたらいいのか、男をどう開いてあげたらいいのか、

分かんなくなってるのがまず、初めにある気がする。

 

どんな形態であれ、恋もセックスも、はじまりは全部女からだと思うし、

女が男の心を開かせてあげたいと思わなくなったら、その恋もセックスも終わるんだな、と思う。

 

 

っていうか、それ、私のことだけど。

 

とりあえず監督に「脳幹鍛えるにはサーフィンだよ!」って言われたので、

サーフィンを始めることにする。

サーフィンで下半身と脳幹が鍛えられたら、セックスにもいい影響があるらしい。

 

結果が出たら、ご報告します(笑)

 


投稿者:

miyuki.ono1228

小野美由紀(MiUKi_None)作家。1985年東京生まれ。

「セックスの前に立ちすくむ20代?—AV監督の代々木忠さんに会ってきた。」への4件のフィードバック

  1. いつも読んでます。
    読んでると心を触られたような気分になって、ちょっと泣いてます。(20130823「軽さと強度」とか)
    これからもいい文章を書いてください。

  2. 500人の前でそう話せることが素晴らしい!(聴衆はビックリしたでしょうね。)そこにエロさが感じられないサバサバしたところが好きです。

    「セックスの始まりは男性にある!」と思ってしまう私は、古いタイプの人間なのかなぁ。触りたいし、見たい。視覚でエロを感じるのは男だから、行動に出るきっかけさえ教えてあげればいいのか?
    いや、そこは自分で試行錯誤してほしいなぁ。10代、20代前半の男子と話してみたいと思っちゃいました。

  3. 風俗の体験でいまだにいちばん思い出に残っているのは、デリヘルで深夜に来てくれた、プロフィールより30歳くらい年上の印象を受ける「二十歳のお姉さん」でした。
    ベッドに入ってすぐ、これまで誰にも感じたことのないような違和感、恐怖感に近い不安な情感が襲ってきたんです。目も開いて身体も動いているのに、生きている人がそこにいるような気配がまったく伝わって来ないのです。まるで温めた死体を機械で動かしているように、銭湯のマッサージチェアが百円玉を入れて動き出すように、意識の存在を完全に消して、ただ一方的に動くのです。
    その意味にハッと気づいたんです。深夜に20歳のプロフィールで働いている「お姉さん」が、毎晩どんな思いでホテルのドアを開け、客のどんな反応を毎回目の当たりにし、どんな気まずい時間を過ごし、どんな言葉を投げかけられて部屋を出るのか。辛いと感じる感情さえシャットアウトしたようなこの乾ききった諦めの向こうにいるのはいったいどんな人なのだろうかと。そう思ったらなんだか切なく愛おしくなってしまって、今日はサービスも何もしなくていいし、不快なことや苦手なことは遠慮せずに言ってくれればいいから、ただ自分にまかせて抱きしめさせてほしいとお願いして、ただただ、ギュッと抱きしめて頭を撫でたり肩を撫でたり指を合わせたりしていたら、彼女が「恋人みたい・・・」とひとこと言ってボロボロ泣き出し、自分も感極まって二人でボロボロ泣きました。
    いろんな出来事を経て今は猫と独り暮らしをしている、穏やかで優しそうな笑顔の人でした。

    1. なんかものすごく夜中にじーんと来てしまいました。かなかなさんの表現力もあいまって。小説みたい。

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