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facebookと嫉妬とカースト

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写真 (1)

最近引き続き、女子大生間におけるカーストや専業主婦のカーストについて調べている。

インタビューしてみて分かったのだが、彼女たちが互いを格付けする時、どうやらfacebookが多大な影響を与えているらしい。

あるママ曰く、

「自分より収入の多い旦那さんと結婚したママ友が、豪華なホテルに泊まってたり、豪華なレストランでディナーをしてたりすると、凹む」
「独身の友達が豪華な旅行に行って居たり、高級ブランドで買い物してたりすると、嫉妬しつつ『いいね!』を押してしまう」そうだ。

 

なんか、悲しいなあ、と思う。

 

もちろん私だって、
オーストラリアに移住した女友達が現地で出会った中国系大富豪と結婚し、ヨットハーバー付き豪邸を購入してるのを見たりすると、さすがに羨ましいなと思ってしまう時も、ある。

 

でも、facebookには、他人に嫉妬するよりも、もっと楽しい使い方がある。

 

大学一年生の時の私は、本当に冴えなかった。
仮面浪人に失敗し、自暴自棄になっていた私は、知人の紹介のまま、とあるマイナースポーツのサークルに入会した。

そこは慶應の学生とは思えないほど冴えない男女が集う場だった。
大学入学前に思い描いていた「イケてる男の先輩」はどこにもおらず、
高校の時は確実にクラスの2.3軍、下手すると誰とも喋らずに便所飯を食べていそうな、そんな人たちが集まっていた。

きっと童貞率80%、処女率90%ぐらいだったと思う。

 

今から思えばそんな所に入らなければ良かったのだが、仮面浪人に失敗して自己評価がどん底にまで落ちていた私は
(自分ぐらい冴えない人間には、これぐらいの場所がお似合いだ…)と思い込み、そのスポーツのルールすらもろくに知らないまま入会した。

 

そのサークルの、同学年の女の子たちの中に、ボスザル的なポジションの女の子が二人いた。

見るからに処女で、髪型も容姿も垢抜けず、

底意地の悪さと、しょんべんくさい性格が、顔全体に現れているような女の子たちだった。

なぜか、私はその二人から嫌われていて、ことあるごとにイヤミを言われたり、つらくあたられたり、無視されたりしていたが、私も当時は処女で同じぐらい垢抜けなかったので、カースト上位の彼女たちに言い返す術もなく、なんでだろう…と思いつつも黙っていた。

しかし、ある日、その理由を彼女たちが話しているのをこっそり聞いてしまった。

「だってね、◯◯ちゃん(私)、初めてサークルの練習に来た時、電車の中で××先輩の隣に座ったんだよ?信じられる?」

 

この子たち、頭がおかしいのかな?と思った。
今時幼稚園児でも言わないようなセリフを、よりによって、最高学府の学生が口にするなんて。

更に、私がその××先輩と入会後に速攻で付き合い始めたこと(その冴えない集団の中では、一番マシに見えた)も、どうやら彼女たちが私を気に入らない原因の一つらしかった。

 

くっだらねー。

 

私はすっかりそのサークルへの意欲も、彼女たちと仲良くなる気も無くし、留学を決意してから速攻でそのサークルを辞めた。

 

それから7年経った今、当時のサークルの人たちが、少しずつFacebookで友達申請を送ってくるようになった。

彼女たちも、当時と同じ厚かましさで友達申請を送ってきた。

 

お前らの友達だった覚えはないよと思いながら、

私は彼女たちのタイムラインをチェックする。

 

彼女たちは、あの頃と変わらない冴えなさでそこに居た。

相変わらず冴えない服装に冴えない見た目、性格の悪さが全面に溢れ出た容姿。

彼女たちは、その抜群の冴えなさで、
相変わらず冴えないサークルの先輩たちとつるんで、冴えない居酒屋で冴えない飲み方をしているようだった。きっとあの頃と同じ、仲間内の噂話しかしていないのだろう。
そして、抜群に冴えないドレスを着て同じサークル仲間の結婚式の写真に写りまくり、抜群に冴えない余興をし、抜群に冴えない店でデートしているようだった。

 

私がさっさと抜け出した、その冴えない人たちによる冴えない世界が彼女たちの全てなのだった。

 

他の世界を彼女たちは知らない。

彼女たちはこれから、同じように冴えない相手と結婚して、冴えない安定した生活を送るのだろう。

性的魅力も乏しそうなので、旦那にちょいちょい浮気されながら、冴えない自分にそっくりの子どもを再生産して、幸福でも不幸でもない冴えない人生を送るに違いない。

 

そう思うと、ふつふつと身体の底から嬉しさが湧いてくる。

私を苛めていた人たちが、自分よりも下の世界にいることを、改めて確認できたことに。

 

私は夢想する。

いつか、豪華客船で世界周遊している写真を、いつか、誰もが知る著名人と飲んでいる写真を、いつか、ドバイの水中ホテルでくつろいでいる風景を、facebookに投稿して、冴えない専業主婦になった彼女たちに「いいね!」を押させてやることを。

 

冴えない彼女たちが、冴えない男の先輩たちを見下しつつもそのぬるま湯にどっぷり浸かっている彼女たちが、
一生かかってもできないような、体験をしてやる。

そして、その頃の自分はきっと、それを自慢とも思っていないだろう。だってそれが自分の日常なんだから。

 

彼女たちの冴えない写真が、タイムラインに流れてきた瞬間が、facebookをやってる時間の中で一番、楽しい。

 

今の自分の身分なんて、関係ない。

見返してやりたい人間の日常に、いいね!なんて押してる場合じゃない。

 

つまらないのに惰性でfacebookを開いて、「この人誰だっけ…」と思いながら一度パーティーで会っただけの人の投稿に「いいね!」を押してあげたり、

寝不足になりながら集合写真の上司の顔にタグ付けしてやったり、

友達の結婚式の写真に嫉妬しつつ「おめでとう^ ^」と書きこむくらいなら、

facebookなんて、これくらいの付き合い方をしておけばいいのだ。

 

どうせ、自分が嫉妬している世界と、相手にとっての現実なんて全然違うし、

自分の現実と戦うほうが、ずっと面白いんだから。

 

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