巡礼イントロ

先日CIRCUSの「旅ラボ」さんから取材を受け、過去経験したスペイン巡礼について話しました。

スペイン巡礼の道(カミーノ・デ・サンティアゴ)とは

スペインの北西端にある都市「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」(キリスト教の三大聖地の一つ)を目指し、フランス南部から続く全1170kmの道(途中どこからスタートしても良い)を歩く、言わば『スペイン版お遍路』。
毎年、世界中から集まった約2万人が徒歩、自転車、馬など自由なスタイルで聖地を目指す、人種のるつぼの道。

2度も歩くほどにドハマりし、進路や就職に悩む人に「とにかく行って来て」と薦めまくり、実際歩いた全員に「行ってよかった!」と言わせている、カミーノ・デ・サンティアゴ。

日本ではマイナーなレジャースポットであるスペイン巡礼について、オススメする理由を7つにまとめました!

 

1.宿が激安!!費用がかからない

巡礼者たちは、巡礼路沿いの町や村の「アルベルゲ(巡礼宿)」に泊まれます。
スペインはキリスト教協会がめっちゃ金持ってるからか、驚くほど宿泊料が安い。だいたい5€前後。
中には、完全に「ドナティーボ(寄付)」で成り立っている宿もあり、タダでも泊まれます。

巡礼宿って、どうせボロボロなんでしょ…?と思うなかれ。
中には新しくできたばかりで、グッゲンハイム美術館かい!と思うくらい現代的でオシャレなアルベルゲも。

私は20日かけて全500kmの道のりを歩きましたが、宿代は全部で1万円くらいでした。もちろん、野宿すればタダです。

巡礼者のパスポートである「クレデンシャル(巡礼証明書)」を持っていれば、宿泊可能

 

2.メシがめちゃウマ&低コスト

巡礼路はスペイン北部、バスクから北西部のガリシア地方まで、7州を貫く一本の道。
州が変わる毎に異なるグルメが楽しめます。
しかも田舎だからめっちゃ安!自炊すれば食費も1日10€前後と、ほとんどかかりません。
レストランで食べたとしても、バルセロナやマドリッドに比べたら「えっ、こんなんでいいの?」と思うほど低価格で大ボリュームのスペイン料理が食べられます。

そしてワインは水より安い!

蛇口をひねればうどんが出てくるのは香川ですが、蛇口をひねればワインが出てくるのがスペインです。

一日の歩き終わった後に、巡礼宿の芝生の庭で、太陽の光を浴びながらワインをがぶ飲みするのは、め〜〜〜っちゃくちゃ気持ちいいですよ!

道の至る所にワインのブドウが山積み。

 

3.世界中の人々の多様な人生観に触れられる

巡礼路には世界中からあらゆる人種・階層・職種の人々が集まります。

アメリカの大企業の社長さんから、ギャップイヤーの学生、失業中の若者、5歳の男の子、リタイヤしたおじいちゃん、ブラジルのエリート、メキシコの牧師、南アフリカの大金持ち、ホームレスetc…

彼らが、それぞれの出自や身分などまるで関係なく、助け合い、聖地を目指します。
敬虔なキリスト教信者もいますが、最近ではもっぱらレジャー化しており、みんな目的は「自分探し」だったり、次の仕事のことでもゆっくり考えるわ〜、だったり、リタイア後に何しよう?だったり。

ピーク時の7、8月には、毎日200人ほどの「人生の夏休み」状態の人が集まり、人生について語りながら、ワインを飲みつつ楽しく道を歩いてゆく。

こう書くと暑苦しくて嫌だなと思われそうですが、そこはヨーロッパの個人主義。人間関係は非常にドライでフラット。

それぞれ価値観が多様すぎて、日本の狭い価値観なんて、本当にどうでも良くなる。

どうでもよくなった状態で、

「じゃあ、自分にとって人生で一番大事にしたいものって、一体なんだろう?」と考えられるのが巡礼のよいトコロです。

 

4.痩せてエエ身体に!!

巡礼では、毎日自分の好きなペースで歩けます。
だいたい1日25km〜35km前後。

一日6時間も深い森の中や山道を歩き続けるので、自然と筋肉がついてエエ身体に…。
スペインの油ギットリな料理とワインがぶ飲みしても太らないのが巡礼のいいトコロ。

じじい

 

 

5.風光明媚な土地や世界遺産が楽しめる

スペインといえば世界遺産。当然、歴史の古い巡礼路には有名な世界遺産建築がゴロゴロ。
有名どころではアストルガのガウディの教会や、ポンフェラーダのテンプル騎士団の要塞など。

また、大自然の美しい景色もそこここに。
私が一番感動したのは、巡礼路の一つのハイライトである、標高1000mのセブレイロ峠。
頂上でくたくたに疲れて眠りに着き、朝起きると、当たり一面、雲海に!昨日自分が登ってきた道が雲に埋め尽くされているのは言葉にならない感動でした。

6.語学が上達する

色んな国の人が集まるので、会話は英語中心。(フランス・スペイン人が多いのでそれらも)

下手したら一日中しゃべりまくることもあるので、
「2週間、語学留学したけど全く話す機会のないまま終わった…」となるよりはこっちのほうがよっぽど上達します。

英語全くダメ〜!という人でも大丈夫。スペイン人のおじいちゃんとか、英語全く分からないのにガン無視で話しかけてきますからね。「なんとなく」で通じるのが巡礼ワールドです。

 

7.「自分と対話する時間」が持てる

巡礼では一日の約半分を歩いて過ごします。

みなさんは普段の日常の中で、どれだけ歩いていますか?
なんの目的もなく、ふらっと長時間歩くことなんて、人生でそう多くないですよね。

カミーノでは歩いていると、嫌でも一人になる時間がやってきます。
一人きりで大自然の中をひたすら歩くのは、まさに「自分との対話」。

 

自分が本当にやりたいこと、というのは、
外や、周囲の意見や、SNSなんかを探していても見つからなくて、
ある日突然、脳の内側からせりあがってくる。

「こうならなきゃ」とか「これになろう」とか思っているうちではなく、
身体を酷使して、疲れて、くたくたになって、やっと空っぽになった時に、それはやってくる。

自分でひねり出すものではない。

空っぽの大地に湧く水のように、ある日突然あふれだすもの。

その「空っぽの自分」になれる浄化作用が、この巡礼の道には、ある。

日本でどんな環境でも、どんな生い立ちでも、どんな悩みを抱えていようと全く関係ない。

自分の内面を見つめながら、黙々と歩き続けることで、ふっと、次の道が見えてくる場所。

 

===
「自分探し」っていうと、なんだかかっこ悪いし照れくさい。

けれど、人生には一度くらい、どん底にまで追い詰められて、生きる気力も湧いてこず、
顔に青線(ちびまる子ちゃん的な)立てつつ
「もう自分探しくらいしかすることねーよ…」とつぶやきたくなる時があったり、する。

私は就活でパニック障害になり、もう人生どん底…という時に、藁にもすがる思いでこの道を歩いた。

その結果、巡礼のゴールで本当にやりたかった事が分かり、今それで食べている。本当に幸せだ。
黙々と、ただひたすら歩くことで、思っても見なかった自分が、内側からひょいっと見つかったりも、する。

“自分探し、カッコ悪い”んだけど、カッコ悪い自分を全部吐き出して、捨てて、「次に行こうかな〜」と思えるのが、カミーノ・デ・サンティアゴ。

 

と、いうわけで、

「将来なにしたいかとかわかんないしー、“テーマのある旅”とか流行ってるけど、別に途上国とか暑いし汚いから行きたくないし…。でも、就職もしたくないんだよねー」

と、ダラダラTwitter見ながらエアコン効いた部屋でアイス食ってる若者には今すぐカミーノを薦めたい!!!!

パツキンのチャンネーとワンチャンもあるから!!!マジで!!!

(巡礼宿はセックス禁止だけど、深い茂みなら至る所に…!!)

 

むちゃくちゃな結びになりましたが、
素敵なスペイン巡礼をする人が一人でも増えることを祈ってます!!

ブエン・カミーノ!!

 

 

★旅する若者を応援するWebサイト「TABILABO」さんのインタビューでも、スペイン巡礼と世界一周について話しています。
カミーノに興味のある方はこちらも合わせてご覧ください。
http://tabi-labo.com/tabi-athlete/onomiyuk/

 

↓カミーノについて詳しく知りたい方はこの2冊がおすすめです。

 

 


紹介 author-img 著者

小野美由紀(MiUKi_None)作家。1985年東京生まれ。