昨日、千葉県佐倉にある伝説のメガネ屋『眼鏡のとよふく』にメガネを作りに行ってきました!


そこを知ったのは2週間前。私が整体を教えていただいている、「きらくかん」の整体師・奥谷まゆみさんが、講座の中で「千葉にすごいメガネ屋さんがある」とお話された。

「成田空港のそばに『眼鏡のとよふく』さんっていうのがあってね!そこはすごいのよー。

2時間くらい、まずみっちり視力検査やるの!

で、普通、目の検査って言ったら「”C”がどっち向いてるか」とかやるじゃない?とよふくさんはね、棒の先についてるニコちゃんマークを目で追っててくださいねー、とかってやるの!面白いの!検査が!!

“目は露出した脳”って言うくらい、目と脳ってつながっていて、目の使い方がそのままその人の脳の使い方になるんだよ。その人の目の動きを見れば、その人がこれまでどう生きてきたか、どんな脳の使い方をしてきたかわかるんだ。私の友達は、とよふくの先生に『子ども時代に安い肉ばっかり食べさせられたでしょ』って言われたんだって。(笑)

で、そこで作るメガネは、その人の目の使い方に一番合ったメガネだから、かけるだけで、ものの見え方が全然変わっちゃうんだよー!ある人なんか、メガネを変えたとたん、雑誌やパソコンの画面がすごーく立体的に見えるようになっちゃって、右脳と左脳両方がバランスよく使えるようになって、仕事の質が全然よくなったんだって!

肩こりも片頭痛も治ったし、不思議だよねー!」。

 

…マジで!?

それを聞いて私はソッコーとよふくさんに電話した。

私は17歳ごろからコンタクトを使用しているが、外した時の目の疲労感がハンパなく、コンタクトをしていないと、なにもする気が起きないくらい、いつも目が疲れているのだった。
でも、他人の使用感なんてわからないし、こういうもんか、と思って過ごしていた。

けど、それ以上に、常に頭の中の、脳の芯が硬いかんじ、というか、なにをやっていても、恋人とリラックスして話している時でも、友達とテレビを見て爆笑している時でも、頭の一部がずっとコリコリ、緊張してるのが取れなくて、困っていたのだ。

が、検査は2週間待ち、とのこと。

街の普通のメガネ屋さんで、検査予約2週間待ち…?

 

そして昨日、ようやくその日がやってきた。


©眼鏡のとよふく
千葉県JR佐倉駅の、目の前のお店。

 


中は普通のメガネ屋さん。というか店員さんが皆イケメン過ぎる…!

ここは、メガネ屋さんなのに自然食のカフェもやっていて、予約するとコースを出してくれる。

 


ハーブティーとか、車麩の揚げ物とか、すんごくおいしい。
 

食後、検査へ。
出てきた先生は、スーパーインテリ臭漂う、背筋のぴしっと伸びたおじいちゃん。メガネの検査技師というよりも、教頭先生みたいな感じ。

なんか、最初から目をすっっっごく見られている…!

 

奥谷さんの言ってたとおり、最初はニコちゃんマークが先端についた、棒の先を目で追う。

ちらっと検査して、先生はすぐに顔をあげ

 

『あなた、まともな目の使い方をしてない。
これまで世界のことが、なんにも見えてこなかったんだね』と一言。

 

え、えーーー!!

 

「あなたはずっとコンタクトレンズで無理な目の使い方をしてきた。
コンタクトレンズは強制的に視力を上げるけど、平面的にしか、ものが見えない。
そうすると目のほうがコンタクトレンズの無理な見え方に合わせて、頑張ってしまう。そうするといつも目と脳の神経が疲れる。目ばっかり先に言って、腰がひける。でも、ちゃんと見えないから目を細くして見る。そんなんじゃ、世の中のことも、仕事相手のことも、付き合ってる人間のことも、なーんにも見えないよ。

このままどんどんコンタクトレンズ使ってたらどんどんおかしくなるよ。レーシックなんかやったらもっと悪くなるよ。」

 

ガーン…まともじゃない…ますますおかしく…

 

「あなたは、コンタクトレンズのせいで、無理な目の使い方をして、目と脳を虐めてきたんだよ。

目上の人、目下の人、って言うでしょう。
目は自分自身なんだよ。
目を虐める、ってことは自分自身を虐めているのと同じだよ。
そんなんじゃまともな人付き合いなんてできないよ。」

どすーん、ときた。
確かに、私は、他人に指摘されるくらい、人と接している時の見方に特徴があるのだった。
人が怖くて、基本的に人が信用できないから、いつも、目を細めて、自分をその奥にひっこめて、眼球の裏側から、人を観察するように、いつも相手を見ているのだった。

だからいつも、眠そうだとか、見えてるの?とか言われる。私だけじゃなくて、メンヘラ的な人とか、統合失調症の人とか、他人を観察してしまう人はたいてい、そういう顔をしている。

人だけではなくて、なにを見るときも、そうやって見ている気がする。
前のブログ(あなた『何者』ですか?ー他人のことをどうでもいいと思えない私たち ブックレビュー:朝井リョウ『何者』)で、傍観者うんぬん、とか書いたけど、そんな時の自分が一番、傍観者なのだった。

「”生きる”ってのはね、距離感なんですよ。
身近な人が、自分とどのくらいの距離にいるか。
世界の中で、ものがどこにあるのか。
周りと、世界との距離感がわかって、はじめて人は安心できる。
喜怒哀楽も距離から生まれる。
世界と自分の距離感がわからないから、情報を得ることにばかり集中すると、ますます遠近感がなくなって辛くなる。不安になる。
感受性は目とつながってるんですよ。
コンタクトレンズをずっと使ってると、距離感がわからなくなって、無理やりな目と脳の使い方になるから、ますますおかしくなる。まともに世界を見られなくなる。
若いから、身体と脳が、自分で無茶苦茶にがんばって、それに合わせてなんとかやってきたけど、もうやめなさい。
正しい本来の目の使い方に戻れば、治るから。』

 

先生はそのあと2時間くらいかけて、じっくりじっくり検査をしてくれた。
正直、上の言葉にびびりまくっていたので、テンパって正確に答えられていたかどうかわからないのだが、それでも先生は何回も何回もレンズを掛け直しいろんな検査をして、
最後に、一対のレンズのはまった検査用メガネを渡してくれた。

「これをかけて、外を見てご覧。」

言われて、さっき入ってきたガラス戸から外を眺めた。

さっき来る時に歩いた、なんの変哲もない、桜の並木道だ。

 

外を見た瞬間、涙が出た。

 

世界がまったく、違って見えた。

まだ花のつかない灰色の桜の木々が、
びっくりするくらい立体的に迫ってくる。

3Dの映画ってあるじゃん?あれが現実になったみたいな…。いや現実も3Dなんだけど…。もっと、こう、飛び出す絵本の中に自分がいるみたいな、ものがちゃんと、それぞれの距離を持って現れて、世界がちゃんと、自分を取り囲んだ、みたいな、優しいけれど、不思議な現実感。

新鮮な、でも自分をちゃんと受け止めてくれるような、どすん、と飛び込んでいっても、大丈夫だよ、とふかふかの世界が言ってくれるような、この感じ。

花のつぼみのかすかなピンクとか、枝の灰色とか、枯れた葉の茶色が、
ゴッホの絵みたいに色鮮やかに、存在を主張している。

涙が出るくらい、優しくてあったかい。

でも、この感じ、どこかで見たことある…。

 

「懐かしい感じがするでしょう?」と先生。

「子供のころに戻ったみたいです」

「そうでしょう。これはあなたが目が悪くなる前、
コンタクトレンズをかける前に見ていた世界なんだよ」

 

そう言って、先生は今度は鏡の前に立たせた。

「御覧なさい。姿勢が変わったでしょ?
ものを見るために、肩に余計な力を入れなくていいから、肩が下がって、背がしゃんとしたでしょ。」
確かに、鏡の中の自分は、今まで見たことがないくらい自然な姿勢を取っていた。
肩にも首にも、余計な力がどこにも入っていない。身体がとっても楽だ。

 

「あなたは今まで、ものを見るために、滅茶苦茶な目と脳の使い方をして頑張っていた。けど、もうそうしなくていい。

メガネは生きるための道具です。つかいこなして、自分の生き方を変えなさい。」

そう言って、先生は店の奥に立ち去った。

なんだかお坊さんの説法を聞いたみたいな気分だった。
あとは、店員さんがメガネのフレーム選びから、購入手続きまでをやってくれた。

仕事で手元を見るためのメガネと、普段街を歩く時のメガネは効能も度合いも違うため、二つのメガネを購入。

ちなみにお値段はけっこう高め。
レンズとフレーム込みで最低でも五万から、
だいたい7万前後といったところ。(クレジット可)

それでも、あの世界の見え方を知ってしまったら、安いと感じる。

ここには大物ミュージシャンとか、大企業の重役とか、北から南までいろんな人が先生にメガネを作ってもらいに来るそうだ。昭和天皇もここでメガネを作ったらしい。

 


⇡店内に飾られてた「詩」。みつを系の詩はいつもスルーしてたけど、なんだか不思議な説得感がありますね…。

出来上がりまでは10日間から2週間前後。自宅に郵送してくれる。

出来上がりがマジで楽しみ。

今は普通のメガネでブログを書いているけど、あの時にかけたメガネの見え方に比べたら、死ぬほどつらい。今までこれを「つらい」と感じていなかった自分に驚き。私の目と脳は、ずっとこんな苦行をしてたのか…まじごめんよ…という気持ち。

 

とにかくこんなにも「見える」ということが楽なんだ、ということが分かり、すごくほっとしたので、目で悩んでいる人、今のコンタクトレンズやメガネが合っていないと悩んでいる人は、すぐにでも行ってみてください!

もうね!メガネにイカされたって感じだったわ!!!

「あ……こんなの…はじめて…….(ぽかーん)」みたいな。

まじで!!!
↑ってこんな表現したらバチ当たりそうなほど、豊福先生は徳の高いお方でしたが!!

検査〜購入まで、4時間くらいかかるので、行くときは時間に余裕を持って行かれることをおすすめします。

 

⇡検査を受けるともらえる本。威厳ある先生の風貌とは裏腹になんか可愛い感じ。


紹介 author-img 著者

小野美由紀(MiUKi_None)作家。1985年東京生まれ。

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